
★★★★
帝都大学理工学部物理学准教授の湯川
警視庁捜査一課の草薙
そして部下の内海薫
ガリレオのTVドラマのイメージで読んでしまったので実に読みやすかった。
湯川・・・福山雅治。内海刑事・・・柴崎コウ。原作のイメージぴったり!
必ずしも喜んで積極的に警察に協力して謎解きをしているわけではない。
でも 内海刑事の熱心さに そして友人の草薙のため 時には犯人のために
鋭い推理で物理的なトリックを暴いていく。
トリックは 理数科系の東野圭吾らしい本格派のトリック。
でもそこには 登場人物たちの人情、人間ドラマがある。
物理的トリックの後ろにある湯川の人間の心 優しさがすごく魅力的だった。
1.落下る(おちる)
2.操縦る(あやつる)
3、密室る(とじる)
4.指標る(しめす)
5.攪乱す(みだす)
(2. あやつる) 湯川の恩師友永の息子の殺人事件。
友永の家に集まった教え子たちの眼の前で起こった離れでの爆破事件。
一番怪しいのは 父親友永だったが 彼は車椅子生活で
離れに一人で行くことは 不可能。
しかし犯人は・・・・友永。ではどうやって?なんのために?
友永は自分の犯行を 次々に証言し始める。不利なことまで、なぜ?
湯川は なぜ友永が事件を起こしたのか、その真相を語り始める。
そこにある人間ドラマに、友永への湯川の思いに胸が熱くなる。
「人の心も科学です とてつもなく奥深い」
(4. しめす) 老女が殺されて家から金の地金が盗まれた。
いつも訪れている保険会社の貴美子は容疑者だった。
刑事たちが家を張ってると娘の葉月が ダウジングという方法で
事件の日 老女の家からいなくなった犬の死骸を見つけ出した。
貴美子は犯人なのか・・・・しかし予想外の展開が訪れる。
ダウジングというものを探す(こっくりさんみたい?な)方法。
それは非科学的だが 湯川は 娘のとった行動は否定しなかった。
それをすることには 彼女には意味があったから・・・
「神秘的なものを否定するのが科学の目的じゃない」